暗譜ができません。楽譜を見てやってもいいですか?

暗譜ができません。楽譜を見てやってもいいですか?

発表会は、暗譜で演奏します。
楽譜を見ながら上手に演奏することは非常に難しい技術で、専門的な訓練を受けた人しかできません。楽譜を見ながら弾いているようでは、上手に弾けないのです。

過去、何人かはどうしても楽譜がないと弾けないというので楽譜を見ながら弾いた方もいますが、いい演奏ができた人はいません。その中には、「暗譜しないと弾けない」と、考えを変えた人が何人かいました。

楽譜を見ながらでも上手に弾ける生徒は、当教室のレベルでは一人もいませんので、もし本人が楽譜を見ながらでも弾けるというのであれば、弾けていると勘違いしているか、実は暗譜できていてお守りや精神安定剤代わりになっていることもあります。このケースは子どもが多いのですが、楽譜がないと言いながら楽譜をおいても全く見ていない人がいます。

上手に弾けていて暗譜だけができないという人が勘違いしているのが、覚えていないと思っていることです。動作を覚えていたり、動作を絡めて覚えているので、「ここのポイントで楽譜を見て、そのとき指はこういう風に動かす」というようにそのタイミングで楽譜を見て指がどう動くかを記憶しているので、動作を変えて「指を見る」と記憶が繋がらず全く弾けない状態になります。これで暗譜が苦手と思い込んでいる人がたくさんいます。

つまり、多くの人が「全く音を覚えていない」のではなく、「楽譜を見るという行為と指の動きを連動させて覚えている」ということになります。